バイブロハンマとは、対を成す偏心重錘を同位相で逆回転させることにより上下方向の力(起振力)を発生し、これを把持装置を介し杭や矢板に伝えて上下振動させ、根入れ地盤の抵抗を低減することにより杭や矢板の
打込み・引抜きを行う装置です。
バイブロハンマの構造と名称
主要部の構造と名称を以下に示します。
①原動機(電動式または油圧式)
②起振機(振動発生装置)
③把持装置(チャック)
※スタンダードチャック(下図左)、鋼管チャック(下図右)、ハットチャック等
④緩衝装置(ショックアブソーバ) ※振動力をクレーンに伝えないための装置
⑤制御装置(電気と油圧のコントロール装置)
起振力発生の原理
一例として、偏心重錘方式の場合を以下に示します。
偏心重錘の動きと遠心力の関係
打込み原理の概念
バイブロハンマによる杭の打込み原理は、起振機で発生する上下方向の起振力を材料に伝達させることにより、材料の周面摩擦力および先端抵抗力を動的に低減して打設します。動周面抵抗力に対してバイブロハンマの起振力が、動先端抵抗に対しては材料とチャックを含むバイブロハンマ本体質量の和が同時に上回れば打込みが可能となります。打込み原理の概念と打設状況の一例を以下に示します。

打込み原理の概念図

大型電動式バイブロハンマによる鋼管杭打設
バイブロハンマ工法の特長
バイブロハンマ工法は以下のような優れた特長を有しています。
- 普及率が高く汎用性に優れるため、機械の手配や施工計画が容易。
- 打込み速度が速く、施工性・経済性に優れる。
- 鋼矢板・鋼杭・コンクリート矢板等、施工対象材料を選ばない。
- クローラクレーンを主たるベースマシンとして使用することによる施工上のメリットが多い。
①作業半径が大きくとれ、作業構台等の仮設足場を要さない施工も可能。
②作業半径を大きくとれるため、手延べ式桟橋や作業構台の支持杭施工が自由。
③高低差のある現場条件でも自由な打込み・引抜き作業ができる。
④ベースマシンが旋回式であり、杭1本ごとに移動する必要がなく施工能率向上に貢献する。
⑤基礎杭施工の場合、床掘り後に打込みを行えるので掘削作業が容易。 - 施工中の打込み・引抜きが容易であり、精度良く施工可能。特にゼロ型バイブロハンマを用いれば、
杭頭天端合わせが極めて容易。 - 各種のチャック装置が準備され、種々の形状を持つ矢板や杭を自由に把持できる。
- 特殊な条件下での施工にも対応できる。
①ヤットコアダプタを装着することで、矢板や杭の水中打込みが可能。
②斜度20度までの斜杭施工が可能(最大±25度まで実績あり)。
③油圧ショベル装着型のバイブロハンマを用いれば、狭隘地での作業や低空頭制限下での桁下施工が可能。 - 複数台のバイブロハンマを機械的に連動し、巨大な打込み・引抜き力を確保することができる。
- 可変モーメント型の機種を用いることにより、低振動・低騒音での施工が可能。
油圧式可変超高周波型の機種を選定すれば、『低振動・超低騒音』での施工が可能。